具体的にノウハウが纏められていて手元に置いておきたい一冊。
印象に残った点や意識しておきたいと感じた点を以下の通り纏めます。引用と主観が混ざっている個人の感想である点にはご留意下さればと思います。
・新築マンションの供給個数は23年で3分の1以下に減っている。
・人件費の上昇、建築工事費の高騰、工期の延長、世界から見た日本の不動産の割安感など、マンション価格に影響をおよぼす要素のデータに注目すると、下がる要素はあまり見当たらないと思われます。
・マンション建設現場ではさらなる人手不足が続いている状況が今後も改善される可能性は低く、これからも上がっていくことが予想されます。
・日本不動産研究所「第22回国際不動産価格賃料指数」によれば、東京は世界の主要都市と比べいかに割安であるかがわかります。
・「価格が上昇しているエリア」「横ばいのエリア」「価格が下がっているエリア」の三極化が激しくなっている。
・「いつでもお金に換えられるまたは貸せるという安心感」を持つことが大切です。「売る時の価格は住宅ローンの残債を上回るか?」「貸すとしたら次次の支払額を上回る賃料で貸せるか?」が重要なポイントです。
・安全価値。何よりも「命」、そして「資産」を守るために、災害などに際し、なるべく被害が最小でとどめられる安全な場所・建物である必要があります。
・「利用価値」がいきすぎると「資産価値」を削ってしまうことがあります。利用価値は、どうしても優先したくなりますが、不動産を「借りる」のではなく「購入する」場合には資産価値とのバランスが大切です。
・不動産は「住む」という視点だけではなく、「貸せる」「売れる」という視点を持つことが大切なのです。
・「売る」ことは考えていても「貸す」ことはまったく考えていない人は依然として多い。
・価格が下がりにくいマンションとは、「価格を押し上げる(または維持される)付加価値や希少価値などを持つ、競争優位性のあるマンション」のことを指します。わかりやすくいえば、売るときに多くの人が「購入したい」と思うマンションのことです。
・「駅力」とは、さまざまな角度から見た「駅の総合的な力」のことです。乗降客数や、駅そのものの機能などの基本的な力に加えて、駅ナカや駅ビル、駅周辺の各施設の充実度や生活利便性、駅前商店街の活気、人気度、文化度、人口増加率なども含みます。目的地へのアクセスのしやすさが駅力に関係します。
・立地適正化計画についての具体的取り組みをおこなっている都市も増え、街がどんどんコンパクト化していく以上、「立地」が今よりもっと重要になっていきます。資産価値を保つには「駅からの距離」という条件はとても大切なポイントです。「徒歩10分以内」でも結構遠く感じてしまわれがち。徒歩7分以内に位置するマンションは数そのものが限られているため、とくに価格維持に力を発揮します。たとえば駅直結のマンションなどは、希少性もあり、資産性はかなり保たれやすいといえるでしょう。
・今後を考えるとマンションの場合は10分以内を限度にした方がよいと思います。
・人口が増えているエリア、つねに若年層の流入があるエリアは、街の雰囲気が若々しく保たれやすく街力も維持されやすいことから資産価値も下がりにくいです。人口は自治体のウェブサイトや不動産情報ライブラリ、そのほかのサイトなどで調べてみましょう。
・注意点は「今のその眺望がこれからも見られるか」です。すでに建築確認申請が入っていないかなどを確認する必要があります。自分が依頼しているエージェントに確認してもらうのがいいですが、役所の建築審査課などで自分でも確認出来ます。
・「一人暮らし世帯」と「夫婦のみ世帯」の合計数が「ファミリー世帯」数の2.3倍以上になっていて、「一人暮らし世帯」のみでも「ファミリー世帯」数を超えています。
・これからの時代、本当に75m2や80m2以上の面積のマンションを買ってしまってよいのか?ベストな選択であるのかをしっかりと考える必要があります。
・子育てファミリー層が多いエリアで購入しようとしている場合、75m2や80m2以上の面積の物件が人気で、そのくらいの面積の物件でないと需要がない地域の場合はこの限りではなく、そのエリアに適した広さの住都を購入した方が資産性が保たれやすいこともあります。
・すべての居室が外に面していて、陽当たり、眺望がよいマンションは希少なことから、人気があり、資産価値が保たれやすくなります。
・タワーマンションの高層階などでは、南向きは陽当たりがよすぎてしまうことがあるので、逆に反射光が入る北向きでもよいことがあります。また、分譲時は南向きよりも北向きのほうが価格を抑えて販売されるケースが多いので、場合により北向きも資産性が保たれるケースがあります。
・人気のある公立小学校のあるエリアの資産性は保たれやすい。
・名のある大名などは安全で暮らしやすい場所に住む傾向がありました。「OO藩旧藩蹄跡」などがあるような地域は由緒ある住宅地であることが多く、現在においても上質な住宅地が形成されていることが多いので、価格が高いまま維持されているエリアが多いです。
・住む街のいわゆる町医者に日常で行ける各科の「かかりつけ医」があるとよいのはいうまでもないことです。くわえて、手術が必要など比較的専門性の高い医療や一般的な入院医療を対象とした医療機関、さらに、緊急入院など一刻をあらそう重篤な症状によって治療を受ける必要がある専門的医療を対象とする医療期間なども、これからの高齢回社会においてはとくに必要性が高まると思われます。ただし、病院に「近い」けれども「近すぎない」ということがポイントです。近いと、昼夜問わず救急車が通るので、逆に敬遠する人も少なくありません。
・買うものはマンションでも、「建物のみ」で判断するのではなく、その物件がある「駅を買う」「街を買う」という視点を持つと失敗は少なくなるはずです。
・「資産価値が落ちにくいマンション」を見抜くポイント。
・乗車時間が同じでも特急などでは当然距離が違いますので、終電時刻も違いますし、そもそも終電に近い電車になると途中駅までしか行かないパターンもあります。終電に乗り遅れた場合、自宅までのタクシーの値段も違いますし、災害時などに限らず何らかの原因で電車が動かない場合、徒歩での帰宅が可能な距離かどうかは大きな問題です。
・都心のブランドエリアは別として、一般の人々が購入するマンションでは、90m2や100m2など、広い占有面積の物件は、ターゲットが少なくなることに加え、売却総額や賃料総額が高くなることから売りにくく、貸しにくくなります。
・コンパクトなまちづくりを促進するため「立地適正化計画制度」が創設されました。これからは駅亜kら遠い郊外部など、中心部に比べて少ない世帯が住む(人口密度の低い)地区を立地適正化計画区域に指定し、住宅や学校、役所などの公共施設、医療施設、商業施設などを街の中心部である「居住誘導区域」に集約しよう等い計画です。
・購入を検討している物件が「居住誘導区域外」になっていないかを必ず、国土交通省や各自治体のウェブサイトで確認することをおすすめします。「立地適正化計画作成の取り組み状況」で検索すると出てきます。
・空室が多く賃貸需要が少ないと思われる街にあるマンションは資産価値を保つことは難しいです。とくに保育所や学校などの施設が少ないと子供のいる世代から敬遠されてしまいますので、若い住民が入って来ず街そのものが老朽化していってしまいます。
・「2階以上」の条件を指定する人は多いが、1階で検討してよい物件もあります。例としては、
表示が1階となっていても実際は中2階の高さがある
バルコニーやテラスが道路と反対側で通行人の目に触れることがなくプライバシーが確保される
プライバシーが確保された庭がある(敷地内上階からもあまり丸見えにならない)
などの場合です。
・高速道路や鉄道の線路に面している住戸には、車両や電車の走行などに伴い騒音や振動、排ガスや鉄粉などによる空気の汚れなどの問題があります。
・たとえば総戸数が30戸未満などで小規模な場合、管理や修繕における1住戸あたりの負担が大きく、管理費・修繕積立金が高くなりがちです。戸数が少なければ管理組合も当然に人数が少ないですので、組合内での人間関係がうまくいかなかったりした場合、それでも順番的に一緒に理事になってしまったり、日常でもなんだか居心地が悪いような気がして売却を考える状況に陥ることもあります。
・都心から離れた郊外の「価格が手頃な大規模ファミリーマンション」の場合、新築時に購入した層が多く、住民が同じような年代になりがちです。数十年後、同じように子育てが終わり、子どもが独立し、同じように親世代も高齢課してマンション全体に若い住民が少なくなる可能性もあります。
・自主管理でもきちんと運営されているマンションももちろんたくさんあります。一方で、問題を抱えやすいものであることは否めないのではと思わせることもまた多く起こります。
・民泊禁止が定められているかも、早い時点で確認すべき事項になっています。
・バルコニーの前が空き地だけでなく、駐車場や古い戸建、アパート、社員寮などの場合も注意が必要です。
・売主に価格が低い理由を聞いても回答が容量をえなかったり、目を合わせないケースなど、取引のなかでなんとなく不安な面がある場合は、売主や仲介会社からの説明だけではなく、契約前に自分で管理会社の担当者に電話をかけて直接聞いたり、現地の管理人や住民に聞いてみたり、面倒がらずに確認しておいて損はないと思います。
・変形した間取りは、家具の配置などもしづらく、買主、借主の幅を狭めます。
・「資産価値の下がる可能性のあるマンション」を見抜くポイント。
・「購入の目的」を明確にしておくと失敗しづらい。物件をいろいろみながら現実を学んだら、自分の希望や気持ちを整理しましょう。家族とも意見をすり合わせ、希望条件・判断基準を一致させておきましょう。
・よい物件が出てきた時に短い時間で判断しすぐに行動できるように「購入のものさし(判断基準)」をつくって、リスト化しておきます。
・まず基本となるのは、予算、エリア、間取り、占有面積、駅徒歩分数、築年数などです。
・購入希望エリアは必ず最初に決めるようにしましょう。建物はあと。
・休日などに散歩がてら候補の町へ実際に行ってみることをおすすめします。
・ポータルサイトの占有面積はほとんどが「壁芯面積」です。柱や壁の厚みの中心線から測られた床面積を指します。
・内法面積(公簿面積)とは「壁で囲まれた内側だけの建物の床面積」。住宅ローン控除に必要な要件の「50m2以上」は内法面積。
・まずおおむね2001年から後に完成した物件のなかから探すとよい。
・①前年に品確法が施行された。「瑕疵担保期間の10年義務化」および「住宅性能表示制度」という2つの大きな流れができた。②消費者契約法が施行された。③比較的好立地に建っていることが多い。
・築26年を超えると下がり方は緩やかになっていきます。
・信頼できる不動産仲介会社の担当者を見つけ、一緒に物件探しをしていく。実需の売買仲介をメインにしている会社である必要がある。
・話してみて感じがよくないと思う担当者や身だしなみ・人相が悪い担当者はやめておいたほうがよいでしょう。最低でも宅地建物取引士の資格を持っている人にした方がいい。
・不動産会社とやりとりする際には、「買えるお客様として認識してもらう」ことを意識する。
・売主側の媒介を受任した仲介会社は、法律で義務付けられているレインズへの掲載までの間に自ら直接の飼い主を探して、両手取引を行うようにすることが多いです。レインズよりスーモのほうが先に情報が出るという現象がある。
・「所有権でないもの」、「オーナーチェンジ」、「ドライエリアのある物件」は相場よりも安くなっていることが多い。資産価値の下落にも影響する部分なので避けた方が無難。
・定期借地権付きマンションを中古で購入する場合には、計画をよく立てる。
・現地で感じの良さそうな住民の人と会った場合は、大丈夫なら話を聞いてみる。
・内見前に現地で外から確認する。
・内見ではリフォームでは改善出来ない部分をチェックする。眺望、陽当たり、風通しをよく確認する。
・窓を開けた状態と閉めた状態での、外部からの音の入り方の違いを確認する。電気がついていない状態での自然光の明るさも確認する。
・共用部分は、掲示板、メールボックス、ゴミ置き場をチェックする。
・「価格交渉を優先するのか、それとも物件を確実に小運輸酢売ることを優先するのか」を明確にした方がよい。
・価格交渉できるかどうかの判断ポイント。
・中古マンションを購入するときには、購入時に物件代金の他に「諸費用」が物件価格の6~9%ほどかかる。
・売主が個人なら物件価格に消費税はかからない。
・手付金は売買価格の5%~10%程度が適切と思われ、高すぎても低すぎてもよくない。契約金を安定させる意味がある。
・住宅ローンは一度契約すると長くは出来ない。ボーナス併用払いは避ける。
・住宅費に使えるのは月いくらまでか、で決める。
・適用金利とは基準金利から優遇幅を引いたもの。
・賃料相場は大きく変動することはあまりなく予測しやすい。
・重要事項調査報告書とは、管理会社が有料で発行する書類。
・地震が居住しない場合には住宅ローン減税を受けることは出来なくなる。
・人件費上昇等で修繕積立金が不足しているケースが出てきている。
・1981年6月以降に建築確認を受けたのが新耐震。
・東京都なら地震に関する地域危険度測定調査がある。
・各自治体が予測している液状化マップを確認する。
・土地履歴マップや今昔マップを調べる。
・絶対的な高さと相対的な高さを調べる。
・国土交通省がハザードマップポータルサイトを公開している。
・水害記録を確認する。
・治安を確認するには自分の足で昼と夜に歩いてみる。買い物や飲食店に行くのも良い。
・買主としても売主側の考えを理解しておく。
・売却価格はまず自分で把握することが大事。成約事例や販売事例を調べる。
・いきなり複数の不動産会社へコンタクトしない。
・マンションは坪単価で比較する。
・国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで業者名を検索する。
・買取業者との直接取引は避ける。
コメントを残す