【書評】お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点

生き方について考えさせられる。自分自身の価値観を持つことが重要。「守るものを手放す勇気」も意識したい。

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印象に残った点や意識しておきたいと感じた点を以下の通り纏めます。引用が中心ですが、一部に私の主観や感想が混ざった内容も含まれ得る点にはご留意下さればと思います。

・私たちが「お金の不安」と感じるものは、実は「変化する社会をどう生き抜くか」という、根源的な問いではないだろうか。

だとすれば、やるべきことは明らかだ。

 ・情報を整理し、

 ・旅の支度をして、

 ・困難を直視し、

 ・仲間と協力する。

この4つの行動こそが、具体的な生存戦略であり、この本の柱となる考え方だ。

・「乗り遅れたらどうしよう」という不安をくすぐられると、冷静な判断は難しい。私たちは、必要かどうかを吟味する前に、「周りが始めている」という空気に反応してしまう。

・私たちは、「今すぐやらなければ出遅れる」という焦りをよぶ言葉を日々浴びているのだ。では、どうすればこの焦りの渦に巻き込まれずにいられるのか。答えの一つは、「自分だけのモノサシ」を持つことだ。

・購買の動機は「憧れ」から「不安」へと静かにすり替えられた。

・大切なのは、「自分がどう感じたか」を見つめ直すこと。それが、自分だけの「価値のモノサシ」だ。だけど、私たちはつい「価格が高いほど価値がある」と錯覚する。これが、資本主義の巧妙な罠だ。

・「他人に見せられないなら買わない」という発想は、自分の価値観を他人に預けている証拠だ。本当の価値は、自分自身の中にしかない。他人のモノサシや価格のラベルでは測れない。価格はあくまで市場が決めた他人の評価にすぎないのだ。

・自分の感覚を信じることが、自分の価値観を育てる第一歩です。

・不安な情報に接すると、自分の感覚よりも他人の評価を優先してしまう。

・不安は、他人のモノサシから生まれる。

 安心は、自分のモノサシから始まる。

・「みんな、うまくいっている」と感じるのは、昔から人間が抱える錯覚によるものだ。

錯覚1: 良い結果だけに目がいく

錯覚2: 良い例が多い場所に自分がいる

・情報が広まった瞬間、儲け話は成立しなくなる。

・有利な情報を持つ者と持たない者が、同じ市場で戦う。それがアマチュアとプロが同じ土俵に立つという意味だ。

・株式投資の利益は、「企業の財布」と「他の株主の財布」の2箇所から来ている。そして、「企業の財布」から来るお金は、誰かの役に立った結果として生まれた報酬だ。

・投資で得られる利益の出どころは、基本的に2種類しかない。

 ・誰かの役に立ったことに対する報酬

 ・他の投資家をあてにしたお金

・「将来の値上がりが期待できます」と勧められた不動産投資は、「誰かが今より高く買ってくれること」に賭けているだけで、ギャンブル性が強い。

・「その利益は、誰の役に立った報酬なのか?」

この問いにうまく答えられない投資や、生活者としての自分が「お金を払いたくない」と感じる商品や事業への投資であれば、警戒した方がいい。詐欺の可能性さえある。

・成功の正体を知れば、焦りは消えていく。

「役に立つか」が、投資とギャンブルを分ける。

・資産家の多くは投資をしているが、投資の勉強を特別頑張っているという話はあまり聞かない。

・労働収入の平均の伸び率とされる1~2%は低く感じるが、この数字は平均でしかない。重要なのは努力が報われるかどうかだ。

・有利なのは、資産がある人であって、投資という手段そのものではない。そして、努力が報われやすいという意味で有利なのは、投資よりも労働だ。特に若いうちの努力ほど、その効果は大きい。

・AIは、与えられた問題を解くことには極めて優れているが、とくべき問題を見つけ出すのは、人間の方が得意だ。そのためにも、日常を深く見つめる「観察力」が重要になる。

・会社は、社員を養うための装置ではない。

会社とは、価値を生み出し、社会に役立つための場に過ぎない。誰かの役に立つ価値を提供できなければ、企業は容赦なく淘汰される。

・目の前の人にどうすれば喜んでもらえるのかを、いつも考えているんです。そうすると、自然に応援してくれる人が増えるんですよ。

・大事なのは、相手をよく観察することです。・・・相手の気持ちや悩みにそっと気づき、小さな気遣いを積み重ねる。

・人生で蓄えられる資産は、突き詰めれば次の3つしかない。

人的資本を蓄えて、自分自身に頼る。

社会関係資本を蓄えて、身近な人や仲間に頼る。

金融資本を蓄えて、お金で他人に頼る。

・自分自身の力や周囲との関係を育てる重要性はますます高まっている。

・お金が価値を持つためには、「働いてくれる誰か」が必要だという事実だ。

・リクルートワークス研究所が2023年に発表した「未来予測2040」は衝撃的な未来を描いている。2040年の日本では約1100万人もの労働者が不足すると予測されているのだ。

・生産年齢人口はすでに減り続けているが、これまでの日本社会はなんとか維持できていた。それは女性の社会進出によって働き手の数が底上げされてきたからだ。

・値上げされた100円は、必ず誰かの収入になる。

問題は、そのお金が海外に流出していく構造にある。このため、日本国内の給料が上がりにくくなっているのだ。

・働く人が減れば、モノやサービスの供給が衰える。アリたちの街のように物価が跳ね上がり、貨幣の価値は目減りする。これが「インフレ」の正体だ。

・私たちは海外資産を一方的に買っているつもりでも、実は日本の土地や住まいを海外の人に売っているのだ。つまり、「海外から配当を受け取る一方で、海外の人に家賃を払う」という構図が生まれつつある。

・私たちの選択肢の幅を決めているのは、その時々の制約なのだ。制約を解消すれば、行動範囲が広がる。

・経済の重心が、お金から働く人へと大きくシフトする局面を迎えているのだ。

・「お金さえ回せば経済はよくなる」という常識は、ヒトもモノも無限に存在するという前提に立った、旧世界の幻想に過ぎない。

・私たちの給料が物価以上に上がってきた本当の理由は、高額商品の開発ではなく、効率化によって仕事を減らしてきたことにある。

・私たちの暮らしが豊かになってきたのは、いつも仕事を減らすこと亜出発点になっている。

・今日本は、新しいことを始める人にとって恵まれた環境だ。多くの人が「投資したい」と考えているからだ。

投資される側になる勇気さえあれば、チャンスはどこにでもある。

そして、もう一つ、私たちには「守るものを手放す勇気」も必要だ。

・一人当たりのGDPは、2000年には世界第2位だったが、2023年には34位まで転落している。

・お互いに自由な時間を守ろうとして、「自分の方が疲れている」「自分の方ががんばっている」と言葉をぶつけ合う。ほんの少し協力すればすむことなのに、いつの間にか、奪い合いになっている。

・重要なのは「大人になってから身につけた常識」と「子供の頃に感じた素直な直感」との間にある葛藤に気づくことだ。

・「未来を変えたい」という共通の目標には、仲間が集まるということだ。

・私たちが感じている閉塞感の正体は、「何かを手放すこと」への恐れではないだろうか。

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