頭を整理したり、アイデアを生み出したりするには、机に向かっているだけでは良くなくて、ジムへ行ったり歩いたりと体を動かすことが大事。そして、歩くことは健康維持に最も大事な活動の一つでもある。この「歩く」についてしっかりと解説された本。
仕事もスニーカーで行くようになってから数年経つが、その選択が間違っていなかったと思う一冊でもある。
印象に残った点や意識しておきたいと感じた点を以下の通り纏めます。引用と主観が混ざっている個人の感想である点にはご留意下さればと思います。
・テクノロジーの進化とパラレルに身体性を如何に取り戻すか。文明の発展と共に人類が失ったものは何か。
・「歩けば答えがひらめいた」という経験をしたことがある人は少なく無い。
・歩くことで脳が大きくなることすらある。
・15分以上のウォーキングを週3回取り入れることでアルツハイマー症の発症率を35~40%抑えられる。
・歩くことは、既存の枠にはまらない、発散的な思考力を高めることにこそ効果がある。
・ほとんどの場合、歩きながら考えたことから始まった。
・テーブルを挟んで向かい合う会議よりも歩きながらの会議の方がアイコンタクトも少なく堅苦しさもなくなる。
・現代人の脳は、常に強い覚醒・ストレス状態にある。そもそも働きすぎ。リラックスさせることが求められる。
・山を歩くと全身を使い、身体優位へとシフトすることで、「日ごろ余裕のなかった頭が空っぽになる」。
・週末にちょっと自然の中へと足を運んで歩くだけでリラックスして脳が冴える。
・人類は、歩かなくなったから、様々な不具合が起きている。
・長時間座っていると、どんなに運動を増やそうとも、その健康リスクを相殺することは難しい。
・イーロンマスクはシェアをどれだけ取るかに関心はない。世の中の化石燃料の車をどれくらい減らすかにだけ興味がある。
・人間は歩くだけでそう簡単にエネルギーを消費しないように進化してきた。
・底が分厚く曲がらない靴はダメ。外反母趾という現代病。
・脳は過去の経験や現在の足裏感覚に基づいて次の身体の動きを予測する。
・ベアフットシューズのアルトラ。足の指が自由。アスファルトの上を歩くだけでも楽しくなった。
・荷物の重さは体重の10~20%まで。
・都市は、人間が根源的に持っているはずの情動、かだらを通じて自然と湧き上がってくるはずの興味、身の回りの世界への好奇心を失わせてしまうと思う。
・日常では絶え間ない視覚情報が脳に過剰な負荷をかけ続けるが、広大な自然の風景の中を歩くとき、思考は澄み渡る。そこには「ただの青空」と大地しかないのだから。